顔を描くときのクレヨンの使い方は,小学校の低学年の図工で習います。
黒やこげ茶のクレヨンで,輪郭をとるように教えられますが,苦手な子は,輪郭が小さかったりいびつになったりして苦手感は増すばかりです。
顔を描くときのクレヨンの使い方を身につけると,お絵かきが苦手でも上手に仕上がります。
そのポイントについて解説していきます。
クレヨンで顔を描くときのポイント:輪郭と重ねぬり
クレヨンで顔を描いていく順番は
- みかん色で輪郭を描く
- はだを重ねぬりする
- 目鼻を描く
- 髪の毛を描く
のやり方が,苦手さを抱えている子どもに合っていると思います。
ポイントは,みかん色で輪郭を描いて,肌の基本の色にすることです。
それでは,1つずつ説明していきます。
みかん色で輪郭を描く
小学校では,クレヨンで顔を描くときに,黒やこげ茶色で画面いっぱいに輪郭をとって,ぬりこんでいく描き方を教えることが多いようです。
ただ,絵を描くことが苦手な子どもにとっては,顔の輪郭線を入れるだけでも大変な作業です。
そこでオススメなのが,みかん色で描いてみることです。
みかん色は,だいだい色よりも薄くて,はだ色(うすだいだい)よりも濃い色です。
何がいいかと言うと,
うっかり,顔の輪郭線が小さすぎたり,形がいびつだったりしたときに,同じ画用紙で描き足しができることです。
子どもは,たとえ一筆でも自分が描いたものには思い入れがあるので,良かれと思って,新しい画用紙を渡すと, 描く意欲が激減することがあります。
でも,同じ画用紙にすると,表現がつながっていく良さがあります。
描き足すときには,子どもが選択できるように,「こうしたら?」と薄く線を入れたり,「一緒に描いてみようか?」と,手を添えて描き直したりしてあげてください。
押しつけにならず,子どもの意欲が途切れることが少ないです。
そして,重ねぬりをすることで,はじめに描いた線が目立たなくなっていくので,後で見ても心が痛まないようです。
みかん色は,18色以上のセットに入っているので,もし手元にないようでしたら,一色だけ単品で買えるので,文房具店で聞いてみると取り扱っていると思います。
はだを重ねぬりする
輪郭線を描いたみかん色で,肌を薄く塗っていきます。
さらに,上から,黄色→桃色と,同じように薄く塗っていきます。
最後に,はだ色(うすだいだい)で,濃くぬります。
2つ目のポイントをまとめますと,
- みかん色で輪郭を描く
- みかん色で薄くぬる【さらさらぬり】
- 黄色で薄くぬる【さらさらぬり】
- 桃色で薄くぬる【さらさらぬり】
- はだ色(うすだいだい)でぬる【ごしごしぬり】
です。
目鼻を描く
鼻は,おうど色で,目と眉は,黒で描きます。
目に比べて,鼻の輪郭をとりにくい子どもがいます。
そのときは,鼻の形をいくつか描いて見せて,選べるようにするといいと思います。
髪の毛を描く
髪も重ねぬりをすると,かつらのようにならなくていいです。
髪の毛が生えているように,一本一本描くことがポイントです。
使うクレヨンの順番としては,
こげ茶→茶色→黒がいいかと思います。
クレヨンで顔を描くときのポイント:素材の選び方
最近は,色々な種類のクレヨンが発売されていますので,迷うところかもしれません。
描きはじめの子どもにとって,使いやすいものがありますので,選び方についてご紹介します。
クレヨンについて
クレヨンは,大きく,油性,水性,蜜蝋のものが手に入りやすいです。
顔を重ねぬりで描いていくのには,油性が適しています。
油性のものは,力をあまり入れなくても描くことができますし,重ねぬりがしやすいですのでおすすめです。
画用紙について
画用紙にも色々な種類がありますが,こちらは,いわゆる普通の画用紙でいいかと思います。
触ってみると分かりますが,つるつるの面とざらざらの面があります。
美術の先生は,ざらざらの面を勧める方がいらっしゃいますが,つるつるの面の方が,クレヨンがすべりやすいです。
描いていくうちに,好みが出てきますので,両面試してみてください。
クレヨンで顔を描くときのポイントまとめ
お絵かきといえばクレヨンが定番です。
お絵かきが苦手な子どもに,白い画用紙にどうやって輪郭をとったらいいか,どんな順番でぬりこんでいったらいいかについて,スモールステップで進めていくと,コツをつかんで楽しく描くようになります。
教え方のポイントとしては,
- はだ色で輪郭を描く
- 重ねぬりで肌をぬりこむ
- 髪の毛は一本ずつ重ねぬりで描く
です。
また,扱いやすい素材についても配慮してあげてください。
慣れてきたら,こげ茶色を持たせて輪郭を描くことにも挑戦させてみていいですね。
濃いめの色で輪郭を描き始めると,シルエットがはっきり意識してぬリ進めていける良さがあります。
クレヨンで顔を描くことが苦手な子どもが取り組みやすい方法をご紹介しましたが,やり方は1つではありません。
子どもを形にはめ込まず,自由に描かせた方が良いというお考えもあることでしょう。
ただ,クレヨンを持ったまま描きあぐねていたり,画用紙の隅にちっちゃく描く絵が多かったりするときは,どうぞ参考になさってください。
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